2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700129
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
田中 克明 一橋大学, 情報基盤センター, 助教 (80376657)
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Keywords | 情報システム / 人工知能 / 可視化 / 設計工学 |
Research Abstract |
本研究では、時間経過とともに蓄積された文書群を解析し、記述された主題の変化パターンを抽出、変化をもたず定常的に記述される知識(オントロジー的なもの)、ある時点でのみ使われる知識(アドホックに使われるヒューリスティクス的なもの)、一時的だが繰り返されるもの(両者の中間)を抽出することと、これらを利用者の視点に応じて動的に再構成する仕組みの開発を目指した。 平成23年度はまず、定常的な事項に着目して処理を行うシステムを構築した。文書からクラスタリングにより抽出した主題の中で、システムの利用者が指定したある対象を示す語と同時に出現する単語に着目し、「処理」を示す思われる品詞のものを抽出、定常的な対象に対するタスクとして提示するシステムである。これにより、定常的に出現している主題について、出現し続けているというのみでなく、付随して発生している具体的作業の変遷を抽出することができた。 また、主題の分布を2次元表示し、時間経過に沿って提示するシステムも作成した。本システムが表示するアニメーション中では、定常的な事項は表示されたままである一方、繰り返される事項は表示と非表示の繰り返しにより点滅して表示され、利用者が両者の違いを直感的に把握することが可能であった。 その他、新規に出現した主題とその継続期間に着目をした表示の検討を行った。現状では、表示対象となる主題の数が多すぎるため、利用者の視点から絞り込みを行う手法について、検討を継続している。 対象文書群の特性分析として、人工物など具体的な対象への議論を行うメーリングリストと具体的な対象はもたず人々の集合であるメーリングリストの分析比較を行った。これにより、本研究手法で分析を行える知識の集約が起きるためには、操作、変更が可能な具体的な対象が存在していることが望ましいことが分かり、今後、本研究に適した情報蓄積の仕組み、すなわち時間に沿った知識の蓄積をうながす仕組みを作る指針を得ることができた。
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