2010 Fiscal Year Annual Research Report
部分的類似構造の重ね合わせに基づく不均質データの多義的探索法の開発
Project/Area Number |
20700134
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
瀧川 一学 京都大学, 化学研究所, 助教 (10374597)
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Keywords | データマイニング / 部分構造検索 / 列挙アルゴリズム / 統計的有意性検定 |
Research Abstract |
本計画では大きく分けて二つの課題(1)データ点群の部分集合が成す凸包構造の族を用いたパターン識別、(2)データ点そのものの部分的類似構造への分解をもとにした知識発見法を対象とした。(1)について初年度、(2)について昨年度に一定の結果が得られ、最終年度である本年度はその成果発表としての論文投稿、関連技術を用いた発展研究、および本計画で得られた成果のさらなる拡張について検討を行った。(2)については、生物学データを対象に、部分構造特徴の抽出法の研究、及び、部分構造特徴のペアの共起の解析、の両者について一定の成果が得られ、後者についてはその方法を薬剤と標的タンパク質の間のペアデータをマイニングする問題として分析も行った。この過程で、ペア特徴間の交互作用の検出や有意性検定などの手法も併せて研究し、それらの成果と共同研究者の研究を元に、ゲノム上のSNPと遺伝子のペア、あるいは遺伝子発現パターンのペア、など一般のデータペアの交互作用検出についても分析を行い、成果として発表した。また、生物学的ネットワークのような大きなグラフデータの部分構造特徴として、与えられた別の計測量に関して有意な相関をもつパスを列挙する方法を元に、実際の代謝系とその酵素遺伝子の発現パターンとの関係分析を行い、一定の成果を得た。また、本研究の一貫として多数のグラフデータから頻出している部分構造特徴を完全に同定するための手法を確立したが、こうした方法は近年、構造活性相関解析のようなグラフデータ上のより広範な統計的問題の新しい手法基盤として注目されており、本計画で得られた知見を元に現在、新たな拡張を検討中である。
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Research Products
(8 results)