2008 Fiscal Year Annual Research Report
情報粒度に着目した多変量時系列の自動分類に関する研究
Project/Area Number |
20700140
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
平野 章二 Shimane University, 医学部, 准教授 (60333506)
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Keywords | データマイニング / 知識工学 / 時系列 / 情報システム |
Research Abstract |
本研究は, 変量間の共変化関係を反映した多変量時系列の情報粒度表現に関する基礎理論の構築とその応用による自動分類法の開発を目指すものである。 研究初年度である本年度は, 研究準備として, 開発用ワークステーションを導入し開発環境を整備するとともに, スケールスペースにおける変化の性質が把握しやすい三角関数を様々な周期で重畳した3次元時系列からなるテストデータセットを構築した。続いて, 多次元時系列の粒度表現法の開発に取り組んだ。まず, 3次元以上の空間曲線を区分するための構造的特徴量として, 捩率の正負変化と曲率の組み合わせ, 及び, 曲率極大値の利用について検討を行った。前者についてはスケールスペースにおける特徴点変化の単調性を満足しないことが問題となったため, 後者についてさらに検討を進め, 曲率極大点による時系列の区分法と, 極大点変化をスケールスペース上で表現したmaxima scale spaceによる階層表現法を考案した。区分された部分時系列間の相違度として暫定的にコサイン距離を用いてテストデータ間の基礎的なマッチング実験を行ったところ, 局所的変化, 大局的変化の対応関係が適切に捉えられていることを確認でき, 良好な展望が得られた。来年度以降, 同方法の定量的な評価を進めるとともに, 他の粒度表現法についても理論的な検討を進める予定である。
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