2008 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド数理モデルによる高速・高精度な相互関係自動導出法に関する研究
Project/Area Number |
20700144
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 康司 Waseda University, 先端科学・健康医療融合研究機構, 講師 (30421225)
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Keywords | アルゴリズム / 数値最適化 / 生体生命情報学 / グリッド |
Research Abstract |
これまでの研究において、遺伝子ネットワ-クなどの相互関係を自動導出する際に一般的によく用いられている2つの数理モデル(質量作用則表記及びS-system表記の連立微分方程式)のそれぞれのメリットに着目し、ハイブリッド数理モデルによる新しい数値最適化手法を提案し、プロトタイプシステムを開発し、評価実験で提案手法の有効性を示した! しかし、有効性の検証に用いた時系列データは非常に単純な人工データ(次元数の少ない連立微分方程式)であったため、複雑な人工データ(次元数の多い連立微分方程式)及び実データを用いた遺伝子ネットワークなどの同定における提案手法の有効性を示せていない。また、大規模な時系列データを扱う際には、計算精度・効率及び計算時間が問題となる。 本研究では、これまでに開発したプロトタイプシステムを高精度化・高効率化・高速化に重点を置いて改良・発展させ、大規模な時系列データを用いてハイブリッド数理モデルによる新しい数値最適化手法の有効性を示し、高速かつ高精度な相互関係自動導出法を確立することを目的としている。 本年度は、複数の条件下で取得した時系列データを同時に用いて最適化が可能となるようにプロトタイプシステムの改良を行った。また、最適化部分のパラメータチューニング及びグリッド環境下での利用を想定した並列化も行った。改良の有効性を検証するため、評価実験を行ったところ、最適化の成功率は1種類の時系列データを与えた場合と複数の時系列データを与えた場合では、どれも90%以上であまり変化がなかったが、同時に用いる時系列データ数を増やすことによって元の微分方程式により近くなり、精度が向上した。また、並列化においては、高いスケーラビリティを示すことができた。現在、より次元数の多い連立微分方程式を元にした人工データでの評価実験の準備を進めている。
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