2008 Fiscal Year Annual Research Report
決定ルールと構造オントロジーによる意思決定知識ベースシステム
Project/Area Number |
20700147
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
兼岩 憲 National Institute of Information and Communications Technology, 知識創成コミュニケーション研究センター知識処理グループ, 研究員 (00342626)
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Keywords | 決定ルール / オントロジー / 知識ベース / 知識構造の抽出 |
Research Abstract |
本研究では、意思決定知識ベースシステムを実現するために、知識構造の抽出メカニズム、および知識ベースの基盤となるメタ知識構造の設計を目標としている。そのため、20年度では以下の3つの項目について研究を実施した。 (1)従来の意思決定支援システムと事例ベース推論に関する調査 (2)実データに付加する事象的な知識のオントロジーの設計 (3)論理的手法とラフ集合によって出力する知識構造の役割と妥当性への考察 1つ目の項目では、従来の意思決定支援システムと事例ベース推論に関する文献を調べることで、意志決定で価値をもつ知識構造は何であるかを分析した。特に決定ルールの構成において、前件には状況や環境の変化などを記載して、結論には人間の行動への動機づけとして安全・危険や利益・損害などの変化を記載することが重要となる。2つ目の項目では、実データの利用や意味付けに重要な事象的な知識に関するオントロジーを設計した。この成果は、知識ベースを用いた意思決定に関するメタ知識として、知識構造と意思決定をつなぐモデリングの実現へつながる。3つ目の項目では、実際に気候データ(気温、湿度など)や医療データ(関東のインフルエンザ発生数)から得られる知識を分析した。言い換えれば、生データをどのような形へ変換していけば、人間の行動や判断にかかわる知識として価値が生まれるかを理解しなければならない。これらは、次年度以降のルールの抽出メカニズムの開発へ応用される。
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