2009 Fiscal Year Annual Research Report
決定ルールと構造オントロジーによる意思決定知識ベースシステム
Project/Area Number |
20700147
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
兼岩 憲 National Institute of Information and Communications Technology, 知識創成コミュニケーション研究センター知識処理グループ, 研究員 (00342626)
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Keywords | 決定ルール / オントロジー / 知識ベース / 知識構造の抽出 |
Research Abstract |
本研究では、意思決定知識ベースシステムを実現するために、知識構造の抽出メカニズム、および知識ベースの基盤となるメタ知識構造の設計を目標としている。そのため21年度では、前年度の気候データ(気温、湿度など)や医療データ(関東のインフルエンザ発生数)から得られる知識の分析・検証に基づいて以下の2項目について研究を実施した。 (1) ラフ集合によるルールの抽出メカニズムの開発・実装 (2) 事象的な知識のためのルールとオントロジーの記述言語の設計 1つ目の項目では、ラフ集合論によるデータマイニング手法を用いて、複数のデータベースから因果ルールを発見するメカニズムを開発・実装した。本研究の新規性は、以下の2点である。1つは、ラフ集合論とファジィ理論を組み合わせた因果ルールの分析である。もう1つは、複数データベースで互いの因果性を調べるために、2つのデータベースを時間遅れでずらして連結し原因データベースと結果データベースとの関連性の強さ(データ変化の相関性)を比較することである。例えば、インフルエンザ発生と気象の時系列データからなる原因と結果のデータベースに対して、0日から13日へと時間遅れを1日ずつ変えていって因果性の強さを評価する実験を行った。2つ目の項目では、事象的知識やメタ概念を表現できるルールとオントロジーの融合記述言語を提案した。これは、次年度以降のルールとオントロジーの記述言語による推論や意思決定の実現に応用される予定である。
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