2008 Fiscal Year Annual Research Report
議論スキームに基づくトレードオフに着目した設計意図の表現と獲得
Project/Area Number |
20700148
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
加藤 義清 National Institute of Information and Communications Technology, 知識創世コミュニケーション研究センター知識処理グループ, 研究員 (50373444)
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Keywords | 議論学 / 設計意図 / 意思決定 / 議論スキーム / トレードオフ / 知識マネジメント / 設計知識 |
Research Abstract |
設計のための議論スキーム, その中でもトレードオフ関係に関するものを明らかにし, 議論学的手法に基づく設計意図の表現と獲得を実現することを目的として, 本年度は, 研究計画に従い, (1)トレードオフ事例の整理と, (2)設計のための議論スキームの設計に関して研究を進めた. これらの成果について学会発表1件をおこなった. (1)に関しては, 東京大学と国立天文台が共同で開発を進めている超小型赤外線位置天文観測衛星Nano Jasmineについて, 電源供給や姿勢制御など人工衛星の基本機能を司るバス部の開発を担当する東京大学中須賀研究室の協力を得て, 開発メンバーへのアンケート, 聞き取り調査, 設計資料の調査などを通して, 重要な意思決定が関わる設計事例の収集と分析をおこなった. この成果により, 設計における議論スキームを検討するための基礎資料を得ることができた. (2)に関しては, (1)で得られた設計事例とその分析結果に基づいて, 設計によく現れる推論様式を抽出し, 設計における議論スキームとして整理をおこなった. また, トレードオフ関係に関わる設計意図表現についての理論的な検討として, 議論フレームワークの定性的意思決定モデルによる意味付けに基づく設計意図表現の基礎付けについて検討をおこなった. これらの成果により, 設計における議論スキームと議論フレームワークを組み合わせることにより説明が付随する意思決定モデルとして設計意図を表現する見通しが得られた.
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