2010 Fiscal Year Annual Research Report
全方位カメラを用いた複数観測方向に基づく高精度歩容認証に関する研究
Project/Area Number |
20700160
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
槇原 靖 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (90403005)
|
Keywords | 歩容 / 生体認証(バイオメトリクス) / 全方位カメラ / 方向変換モデル / 最適配置 |
Research Abstract |
本研究では,遠く離れた場所からでも利用できる新たなバイオメトリクスとしての歩容認証技術の確立を目指し,全方位カメラを用いて観測される複数方向の歩行画像情報の統合による高精度な個人認証を目的とする.本年度は,対象者の動線が限定される場合に,認証率を最大化する全方位カメラの最適配置に関する研究を行った. まず,認証性能に影響を与える観測条件として,歩行者の上半身及び下半身の解像度・特徴抽出の安定性に影響する一歩行周期内の観測角変化・特徴の多様性に影響するシーケンス全体の観測角・観測方向の五つの条件に着目した.次に,全方位カメラに対して様々な奥行きや位置での歩行データを収集し,歩容認証実験を行った.これにより,様々な観測条件と認証性能からなる学習セットを生成した.そして,学習セットに対してガウス過程回帰を適用することで,観測条件を入力として認証性能の期待値と分散を出力とする認証性能モデルを構築した.最後に,認証性能モデルを用いて,カメラ配置から認証性能を推定することで,最適なカメラ配置を求めた. 実験では,17人の被験者の屋内データセットと13人の被験者の屋外のデータセットを用いて認証性能モデルの構築し,カメラの最適配置を求めた.結果として,屋内においては,特徴抽出の安定性に影響する一歩行周期内の観測角変化が認証性能に大きな影響を与えることが分かり,側面よりも前方から斜め前方向から歩行者を観測する方が有利であることが確認された.一方,シルエット抽出が不安定になる屋外においては,歩行者の解像度の影響が相対的に大きくなるため,奥行きが大きくなるにつれて,距離の近い側面に近い観測方向の方が有利になることが確認された.
|