2008 Fiscal Year Annual Research Report
学習に基づく姿勢推定における画像変化の解析と3自由度への拡張
Project/Area Number |
20700163
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
玉木 徹 Hiroshima University, 大学院・工学研究科, 准教授 (10333494)
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Keywords | 画像、文章、音声等認識 / 知能ロボティクス / コンピュータビジョン / 姿勢推定 |
Research Abstract |
本年度に行った研究は、3自由度の姿勢推定と1自由度の姿勢推定である。 一つ目は、3自由度の新しい姿勢パラメータ表現を考案したことである。1自由度の回転を表現する2×2回転行列が、S^1上のフーリエ基底のうちで最も低周波成分であるsin θ, cos θで表わせることは、自明ではあるがあまり知られていない。本研究では、この考え方を3自由度の姿勢を表現する3×3回転行列(3自由度の回転SO(3))に拡張することが可能になった。そのために、まず一般のn次元超球面上の直交関数系をあつかう球関数を、3自由度の回転SO(3)に適用するための具体的な方法を示した。これは3自由度の回転の表現としては今までにない新しい方法である。そして、この回転行列を表現する新しい方法を、実際に姿勢推定問題に適用し、手法の有効性を示した。 二つ目は、3自由度の姿勢変化と姿勢パラメータの関係を明らかにしたことである。3自由度の姿勢変化による見えの変化は、これまで周波数解析によるアプローチがなされてこなかった。そのため本研究では、SO(3)上の球関数を構成するアルゴリズムと、基底関数である個々の球関数の係数を求める具体的な数値計算手法を提案した。これにより、実際の姿勢変化による見えの変化を、低周波成分と高周波成分に分離して議論することが可能になった。低周波成分は姿勢パラメータと密接に関係していることが示唆され、高周波成分は物体固有のテクスチャに依存すると思われる。今後はこの点をさらに追及し、球関数による周波数解析の手法を確立することが必要である。 三つ目は、1自由度の姿勢推定における学習サンプル数と精度変化の影響を明らかにしたことである。少ない学習サンプル数でも効果的な学習が行える場合があることを示した。また、大量の学習サンプルが得られる場合の精度の限界を検討した。さらに、実際の姿勢推定結果でそれらを実証した。
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