2009 Fiscal Year Annual Research Report
クロネッカー積表現に基づくテンソルデータ処理に関する研究
Project/Area Number |
20700165
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
井上 光平 Kyushu University, 大学院・芸術工学研究院, 助教 (70325570)
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Keywords | クロネッカー積 / テンソル / 多重線形主成分分析 / ロバスト化 / 次元削減 / ラグランジュ乗数法 |
Research Abstract |
情報センシング技術の高度化や計算機の性能向上を背景として,多次元配列構造をもつデータの情報処理への要求が高まっている.多次元配列はベクトルや行列を一般化したものであり,テンソルと呼ばれる.本研究では,テンソルのクロネッカー積表現に基づいて,テンソルデータの類似検索やパターン認識などのテンソルデータ処理を行う方法を開発することを目的として,平成20年度から平成22年度はでの3年間にわたり,新手法の開発,検証等に取り組んでいる.以下に,本年度の研究実績の概要を述べる. 本年度は,階数と次元数が等しい複数のテンソルデータを,次元数が小さいテンソルのクロネッカー積に上って同時に近似する問題を提示し,その反復解法を導出した.複数のテンソルデータの同時クロネッカー積近似に要するメモリ容量を見積もり,映像処理評価用映像データベースのビデオデータを用いた実験で,提案手法の有効性を検証した.また,多重線形主成分分析をロバスト化する方法を提案した.外れサンプルとサンプル内の外れ値のそれぞれについて,ラグランジュ乗数法に基づき反復アルゴリズムを導出した.従来の多重線形主成分分析よりも外れ値に対する耐性が高いことを実験で確認した.更に,テンソルデータの次元削減の一表現であるトレースの比に関する最適化問題について,最近提案されたトレースの差に関する最適化アルゴリズムのラグランジュ乗数法に基づく導出法を示した.また,多重線形主成分分析がトレースの比に関する最適化問題として定式化されるテンソル部分空間学習の特別な場合の一つであることを示した.
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Research Products
(3 results)