2009 Fiscal Year Annual Research Report
ピエゾ素子とマイクロホンを利用したロボット聴覚のための内部雑音処理技術の開発
Project/Area Number |
20700168
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
松本 光春 The University of Electro-Communications, 先端領域教育研究センター, 特任助教 (70434305)
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Keywords | 音響アレイ / 非線形フィルタ / 雑音除去 / ピエゾ素子 / マイクロホン / アレイ信号処理 / ε-フィルタ / パラメータ最適化 |
Research Abstract |
本研究ではロボットにおける雑音源を環境から来る外部雑音と,ロボット内部から発生するモータ,ギアなどの内部雑音に分け,それぞれの特徴に注目した雑音の処理系を提案している.今年度は,ピエゾ素子とマイクロホンの組み合わせによる雑音除去技術を発展させたブラインド状態での内部雑音除去技術について複数の検討を行い,その有効性を確認した.一方,モノラル雑音除去のための非線形フィルタとして筆者らが提案している時間周波数ε-フィルタを発展させ,時間周波数空間で時間軸・周波数軸双方にε-フィルタをかけるcross TF ε-フィルタを提案し,その有効性を確かめた.また,モノラル雑音除去への別アプローチとして,音声の周波数構造に着目したモノラル音源分離法を提案し,その有効性を確かめた. さらにモノラル雑音除去のための非線形フィルタであるε-フィルタや筆者らの提案する時間周波数ε-フィルタのパラメータ最適化のための手法として無相関基準によるパラメータ最適化法を提案した.提案手法では,信号と雑音の無相関性を仮定し,フィルタの入出力信号から推定した信号成分と雑音成分の相関係数を用いることによってパラメータの最適値の推定を行う.また,上記の枠組みを利用して,勾配法を用いたパラメータ自動決定に関する実験を行い,得られた音声・画像から自動的にパラメータが決定可能であることを確認した. なお,本研究課題に関連する成果として,今年度は米国音響学会誌2編に加え,査読付国際会議にて6件の発表を行い,その成果を広く社会に公開することができた.
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