2009 Fiscal Year Annual Research Report
編物の3次元CT画像から抽出された糸位置情報による編組織解析
Project/Area Number |
20700171
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
篠原 寿広 Kinki University, 生物理工学部, 助教 (20434863)
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Keywords | 編物 / 組織分解 / 自動化 / 3次元画像 / CT / 糸位置情報 |
Research Abstract |
本研究では、3次元CT画像より抽出された糸位置情報を利用した編組織自動解析による組織図作成を目的とし、本年度は「たて編」を対象に「基本編目解析」方法の提案および提案手法の有効性の確認のため、実際のたて編物に対し編組織自動解析による組織図作成実験を行った。組織図作成とは、すべての編目を解析し、対応する編成記号を意匠紙に記す作業である。たて編物は基本的に「open lap」および「closed lap」の2種類の基本編目のみから編まれるため、試料のすべての編目を検出し、どちらの編目かを判別することができれば、ほとんどのたて編物の組織図作成に対応できるといえる。本研究において「基本編目解析」とは3次元CT画像より抽出された糸位置情報を利用して編目を検出し、この2種類の編目を判別することを指す。基本編目解析方法として、はじめに糸同士の交差点の幾何的な位置に着目し、編目位置を検出する。本研究は、3次元画像より抽出された糸位置情報を利用することにより、糸同士の交差点の位置および交差点における糸の上下関係を正確に計算できることに特徴がある。つぎにその編目を形成する糸自身が交差するか否かによって、open lap、closed lapを判別する。本研究により、編物設計において設計どおり編まれているか、欠陥箇所がないか、さらに、開発した編組織が他者に真似をされていないかなど、これまで手作業で行われてきた、さまざまな検査の自動化が期待でき、その意義は大きい。 以上の成果をSICE Annual Conference 2010 in Taiwanにて発表する予定である。また、提案手法により得られた組織図と実際の試料との比較を容易にするために、抽出された糸位置情報を利用し、3次元CT画像を用いた各糸表現の検討を行った(The 35th Annual Conference of the IEEE Industrial Electronics Societyにて発表)。
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