2009 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚構造および受容器の特徴をモデルとした人工皮膚感覚モジュールの製作と評価
Project/Area Number |
20700173
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Research Institution | 熊本高等専門学校 |
Principal Investigator |
湯治 準一郎 熊本高等専門学校, 機械知能システム工学科, 准教授 (80332104)
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Keywords | 触覚センサ / 皮膚感覚 / 温湿度検出 |
Research Abstract |
本研究は,3年間で(1)生体機能模倣型の多機能触覚センサ素子の製作と(2)人工皮膚感覚モジュールの製作を目的として研究を進めている.(1)については,各種受容器の応答特性を模倣したセンサ材料の基礎特性実験を行い,皮膚構造をモデルとした複数の層(表皮,真皮,皮下組織等に対応)から構成させる多機能触覚センサの作製と評価が主な内容である. 平成20年度に,環境の温度および湿度を同時に検出し,環境変化にも適応できる多機能触覚センサを構成するために,指先ほどの大きさで,膜状の2本の電極を,指紋のように渦巻き状にした3端子電極フィルム(表皮層)を作製し,そのインピーダンス変化を利用して環境の温度と湿度情報が取得できることを実験によって確認した.平成21年度は,具体的に温湿度情報を分離して取り出す手法を検討し,3端子電極フィルムの静電容量変化,抵抗変化を用いて温度と湿度情報を推定する方法を実験的に確認した.これによって,環境温湿度が変化しても,常にそれらの状態を把握することができるため,皮膚の温湿度感覚の実現が期待できる.また,真皮層および皮下組織に対応する弾性体と重ね合わせ,静電容量変化による接触力の検出機能を付加した.本センサは3端子電極フィルムの接続を変えることで,コンデンサまたはコイルとして機能するため,インダクタンスと静電容量の変化を用いて,対象物の電気磁気的性質を識別することも可能である.今後は,PVDFフィルムセンサと組み合わせることによって,皮膚受容器の応答特性が得られるセンサおよび出力信号を神経パルスへ変換する処理回路の作製と評価を行う。今年度の成果は,平成22年度に行われる学会等で発表する予定である.
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