2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700174
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
石井 雅樹 Akita Prefectural University, システム科学技術学部, 助教 (10390907)
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Keywords | 画像,文章,音声認識 / 人工知能 / 表情認識 / ヒューマンインタフェース |
Research Abstract |
本研究では表情の長期的な時間変化に対する"表情特徴空間の適応学習メカニズム"を明らかにする.研究代表者は前回の科研費課題(若手(B),課題番号18700192, H18-19)において,顔表情による感情推定への適用を目的とした"個人固有の表情特徴空間"の生成手法を確立し,表情から認知される感情の程度を特徴空間上に表現することを可能とした.一方,人間の表情は多様であることから,被験者の表出し得る全ての表情パターンを学習データとして一度に獲得することは困難と考えられる.また,加齢等による顔の構造の経時変化に伴い表情パターンも変化する.したがって,顔表情を対象としたマンマシンインタフェースの高度化を目指すためには,長期的な時間軸に対して高い頑強性を有する特徴空間を生成することが重要と考える.そこで本研究では,追加学習機能を組み込んだ表情特徴空間の動的更新手法について検討を加え,時間経過とともに表情特徴空間を修正する適応的な学習メカニズムの確立を目指した. 平成21年度は,"表情特徴空間の写像空間の最適化手法に関する検討"及び"自然な表情を対象とした特徴空間の適応学習に関する評価"を実施した.前者では,当初,広い写像空間を用いて多くの表情パターンを生成することを検討していたが,基礎実験の結果,狭い写像空間で各表情間(6基本表情及び無表情)のパターンを生成し,その後,統合することが有効であるとの見通しを得た.後者では,喜びの表情を対象とした評価実験を行ったところ,表情特徴空間は既存の知識を保持したまま,新たな知識を追加的に獲得可能であることが明らかとなった.なお,後者の評価実験では喜びの表情のみを対象としており,他の表情を用いた評価には至らなかった.この点については今後継続して評価を実施する予定である.
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