2008 Fiscal Year Annual Research Report
高速特徴保存フィルタによる高次元画像処理基盤ソフトウェアの構築
Project/Area Number |
20700175
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉澤 信 The Institute of Physical and Chemical Research, 生物基盤構築チーム, 研究員 (10455371)
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Keywords | 画像処理 / 幾何特徴 / 高速特徴保存フィルタ / Crest Lines / HDRI / Computational Photography / Laplace-Beltrami作用素 |
Research Abstract |
近年普及が著しいデジタルカメラでの撮影結果,自然科学での観察・観測データ,工学応用での計測・測定データは通常,高次元画像として得られる.本研究の目的は,高次元画像処理の分野において線形フィルタしか適用出来なかった問題に対して,特徴保存フィルタを高速lこ適用する方法を研究する事である.ノイズ除去,周波数分解,領域・特徴抽出と3つの応用問題に対して,高速特徴保存フィルタを用いた処理プログラムを開発する. 本年度は,高速特徴保存フィルタのアルゴリズム開発を主に実施した.具体的には元画像の特徴を保存するBilateralフィルタに対して高遠ガウス変換を用いて高速化し,新しい高速ノイズ除去アルゴリズムを提案した.513の3乗ボクセルからなる高次元画像に対して,2GHzのコンピュータで通常3.7年かかる計算を,本研究で開発したアルゴリズムで5分程度で計算する事に成功した.高次元画像を周波数ごとに高速分解する手法の結巣と共に現在論文を執筆中である.開発にあたっては最新の高性能デスクトップ型PCを購入し,その効率を高めた.また,アルゴリズムの数学的妥当性の検討と評価・高次元画像処理技術の考案と検証を実施するため,海外研究機関へ出張し,ハイレベルな研究者との研究打ち合わせ,及び研究成果発表を通じての批評を受けた.研究打ち合わせ・成果発表時には,購入した高性能グラフィクスカードを搭載したノートブック型PCを用いて,リアルタイムで計算結果を可視化するデモを実施した. らに,領域・特徴抽出のための曲率の方向微分を用いた幾何特徴の基礎研究を実施した.80年間失われていた法線のLaplace-Beltrami作用素に関する公式を再発見し,CADで最も権威のある学術論文誌に発表した[S. Yoshizawa et al. CAGD 25(8), 2008].
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