Research Abstract |
近年普及が著しいデジタルカメラでの撮影結果,自然科学での観察・観測データ,工学応用での計測・測定データは通常,高次元画像として得られる.本研究の目的は,高次元画像処理の分野において線形フィルタしか適用出来なかった問題に対して,特徴保存フィルタを高速に適用する方法を研究する事である.ノイズ除去,周波数分解,領域・特徴抽出と3つの応用問題に対して,高速特徴保存フィルタを用いた処理プログラムを開発する. 本年度は,昨年度開発した高速特徴保存フィルタのノイズ除去,周波数分解,領域抽出法のソフトウェア開発を実施し,細胞内画像処理,細胞内シミュレーションのモデル生成に応用した.513の3乗ボクセルからなる高次元画像に対して,2GHzのコンピュータで通常30年かかる計算を,本研究で開発したアルゴリズムで5分程度で計算する事を達成した.高次元画像を周波数ごとに高速分解する手法と共に,研究結果は権威のある国際学術論文誌に掲載される[S. Yoshizawa et al. ComputerGraphics Forum,29, 2010, in press].アルゴリズムの数学的妥当性の検討と評価・高次元画像処理技術の考案と検証を実施するため,海外研究機関へ出張し,ハイレベルな研究者との研究打ち合わせ,及び招致講演での研究成果発表を通じての批評を受けた.研究打ち合わせ・成果発表時には,昨年度購入した高性能グラフィクスカードを搭載したノートブック型PCを用いて,リアルタイムで計算結果を可視化するデモを実施した. 現在開発した高速特徴保存フィルタ,ノイズ除去,周波数分解,及び領域・特徴抽出プログラム群のWEB公開に向けた改修を実施しており,研究代表者のホームページにて公開する予定である.
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