2009 Fiscal Year Annual Research Report
環境との力学的相互作用に即応するヘビ型ロボットの適応的蛇行運動の実現
Project/Area Number |
20700179
|
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
井上 康介 Ibaraki University, 工学部, 助教 (10344839)
|
Keywords | 知能ロボット / ヘビ型ロボット / 環境適応性 / ヘビ型ロボットのセンシング / ヘビの蛇行メカニズム |
Research Abstract |
本研究課題においては,ヘビ型移動ロボットにおける環境への適応を実現するために,ヘビの運動様式において本質的な力学的センサ情報である,胴体下面における環境との力学的相互作用を感覚情報と利用することにより,環境の特性や形状に即応した運動制御を行う制御アーキテクチャの考案,これに基づくロボットによる不整地における適応的運動の実現,およびこれらを通じた構成論的理解を通じた生物学的仮説の提出を目指して研究を行ってきた. この目的に対して,まず胴体下面が環境から受ける側方および鉛直方向の力を精密に計測するために,半導体ひずみゲージおよび特殊なアングル機構を用いたセンサ付き接地機構を開発した.このセンサ機構により,導体各部位における環境との力学的相互作用を精密に計測するヘビ型ロボットが世界に先駆けて開発されたことが第一の成果である. 一方で,生物の示す複雑・未知環境に対する迅速な即応を調査するために,実験動物を用いたキネマティクスおよび地面からの垂直抗力を計測する実験,ヘビ腹面の微細構造の電子顕微鏡による観察を行い,すでに指摘されていた腹面の微細構造(微細な多数のトゲ)に特定の方向性が見られることを明らかにし,一方でヘビが蛇行時に示す地面への押しつけ力の制御がどのように行われているかを世界に先駆けて定量的に計測した. これらの画期的な接地機構の開発および生物に関する知見の獲得は重大なものと考えるが,本来の研究目的である不整地へのロボットの適応の実現および生物学的仮説の導出については,目的が十分達成されたとは言えなかった.ロボットに関しては,地面の凹凸に対する簡単な反射行動をいくつか実現したにとどまり,一方で生物学については,ヘビの筋骨格系がきわめて複雑なものであることから,今後運動時の筋電位計測などのより深い調査を行う必要性が明らかになった.
|
Research Products
(4 results)