2008 Fiscal Year Annual Research Report
跳躍眼球運動時における位置情報処理の空間周波数特性に関する研究
Project/Area Number |
20700195
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Research Institution | Advanced Telecommunications Research Institute International |
Principal Investigator |
水科 晴樹 Advanced Telecommunications Research Institute International, メディア情報科学研究所, 研究員 (20389224)
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Keywords | 跳躍眼球運動 / 空間知覚 / 空間周波数 |
Research Abstract |
平成20年度は、跳躍眼球運動(サッカード)時に瞬間呈示された視覚刺激の知覚的位置に関する空間周波数特性を測定するため、高精度な眼球運動測定に必要な実験環境及び装置の整備を主に行った。 サッカードは非常に短時間かつ高速に行われる眼球運動であるため、高い空間・時間分解能が要求される。そのため、画像処理に基づいて視線方向を求める方式を用いた場合、十分な時間分解能が得られない可能性がある。そこで、コンピュータによる画像処理を用いずに、眼球の角膜(黒目)と強膜(白目)の反射率の差を電気的に計測し、そこから水平方向の眼球位置を求める測定装置を導入した。 また、サッカードの開始時点と視覚刺激の呈示タイミングとの関係が、サッカード時の空間定位において大きく影響することが過去の研究で知られている。そこで、眼球運動と刺激呈示タイミングの同期をとる必要がある。本研究では、刺激呈示タイミングをより厳密に計測するため、刺激と同時に発光する部分をフォトダイオードにより検出し、その電気信号を刺激タイミング信号として用いた。これと眼球運動測定装置からの電気信号をA/D変換回路を介してコンピュータに取り込み、1kHzのサンプリングレートで計測・記録のできるシステムを構築した。視覚刺激を時間的に厳密に呈示するため、時間分解能が高く、また画面を見る角度等により輝度の変化が少ないCRTディスプレイを用いて刺激呈示を行った。 この実験装置を用いて実際の眼球運動を測定したところ、空間的・時間的に良好な精度の測定が可能となった。また、刺激呈示タイミングとの同期も高い精度でとれることがわかった。
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