2008 Fiscal Year Annual Research Report
ミクロな視点にもとづくイメージ構造可視化手法の確立と都市イメージ分析への応用
Project/Area Number |
20700197
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
木下 雄一朗 University of Yamanashi, 大学院・医学工学総合研究部, 助教 (70452133)
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Keywords | 感性情報システム / 感性評価 / 可視化 / 都市のイメージ / 街並み / 都市計画 / 京都 |
Research Abstract |
本研究の目的は, 従来, マクロな視点で評価されることが多かったモノのイメージをミクロな視点から評価し, 一つの対象内におけるイメージの連続や不連続, その強弱といった情報を色の違いやその濃淡によって表現する, 新しいイメージ構造の可視化手法を確立することである. 本年度は, まず, 特定のイメージに対しそのイメージの強弱を色の濃淡で表現する可視化手法と, イメージ構造の違いを色の違いで表現する可視化手法の2種類の手法を提案した. 次に, 可視化手法の適用例として都市のイメージに着目した. 都市のイメージには, 都市自体に対するマクロな視点からのイメージと, その都市を構成する街並みや区域に対するミクロな視点からのイメージが必ずしも一致しないという特徴がある. 本研究では, 京都を対象とし, 京都自体に対するマクロなイメージと京都市中心部の街並み238地点に対するミクロなイメージを10対の感性ワードを用いたSD法により評価した. これらの評価結果を用いて, ミクロな視点にもとづく京都の都市イメージ構造の可視化を行なった. その結果, 局所的に街並みのイメージが変化する区域や, 区域内におけるイメージの強弱が色の違いによって確認され, 提案した可視化手法の有用性が示された. 提案手法によって, 地図情報からでは獲得できない, 街並みのイメージ違いやその分布といった情報を視覚的に把握することが可能となった. さらに, 評価結果の因子分析を行い, 京都自体に対するイメージと京都の各街並みのイメージとの因子得点空間内における距離を, 色の濃淡で可視化した. これにより, 京都の持つイメージと合致しない街並みや区域を示した. 提案手法は景観の改善が必要な区域の抽出を容易にし, 都市計画においても効果を発揮することを確認した.
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Research Products
(2 results)