2009 Fiscal Year Annual Research Report
情動系(感性系)賦活とリハビリテーション効果の基礎的研究
Project/Area Number |
20700200
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Research Institution | Ibaraki Prefectural University of Health Science |
Principal Investigator |
川野 道宏 Ibaraki Prefectural University of Health Science, 保健医療学部, 助教 (00404905)
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Keywords | 報酬系 / リハビリテーション / 運動学習 / fMRI / NIRS / 情動 |
Research Abstract |
前年度、健常な被験者を対象に非利き腕の第5指を用いた細かい作業(小さな粒を小さな穴から取り出す)を仰向けの状態で行う課題を設定し、10日間の訓練後のパフォーマンスと脳血流動態の解析を行った。今年度は前年度に作成した上記課題について、運動学習効果が得られる最短の訓練期間を検討するために、課題の各パラメータを時系列で確認した。8人の被験者を用いた結果より、課題遂行のスピード、エラー率ともに5日間で改善することが示された。また、fMRIを用いた脳血流動態の解析により、5日間の訓練で、運動学習効果を示す「訓練前と比較して、運動関連脳領域におけるより限局した部位での賦活」に賦活部位が収束することが示された。さらに、情動系(感性系)を賦活する刺激を実験に付加する前に、被験者の不安状態が運動パフォーマンスと脳血流動態に与える影響について検討した。不安尺度のSTAIを用いて被験者を特性不安・状態不安の高低で分類し検討した結果、特性不安普通群は高い群と比較して課題のエラー率の改善が良く、運動関連領域における賦活部位の収束もより顕著に見られることが示された。上記の結果は、情動系(感性系)の効果を検証していくためには、外的要因(刺激)のみでなく、内的要因も視野に入れて検討していく必要性のあることを示唆している。今後、被験者のストレス等に対する生理学的指標だけでなく、その人が備えている特性等(不安の抱きやすさなど)の心理学的指標も検討の対象に加えていくことが重要であろう。
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