2009 Fiscal Year Annual Research Report
美の観点からの草書体文字の生成法と動的手本を用いた書字学習に関する研究
Project/Area Number |
20700202
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Research Institution | Fukuoka Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤岡 寛之 Fukuoka Institute of Technology, 情報工学部, 助教 (10349798)
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Keywords | 感性情報学 / 最適スプライン / 草書 / 美的評価 / 書字学習 / 文字モデル |
Research Abstract |
本研究では,申請者がこれまでに取り組んできたスプラインの理論と応用研究の発展研究を行う.特に,ダイナミックフォントと呼ばれるフォント生成法を基礎ツールとして手書き文字から「美」の観点に基づいた草書体文字フォントを生成する枠組みを開発し,さらにはその枠組みを利用して書道家により書かれた手本を与えて書字する際に人間が書字スキルを獲得する学習過程について実験的に検討することを目的とする.本年度は,前年度に得た成果を基に,書字スキルを獲得する学習過程について研究を行った.特に,力覚デバイスを用いて文字モデルの獲得と力覚誘導による書字学習の問題を考えた.文字モデルはペン操作による人の3次元書字運動の測定データに対して最適平滑化スプラインの理論を適用し,ダイナミックフォントモデルとして獲得する.次に,得られた文字モデルに対して,最適スプラインの理論を用い平滑化パラメータを調節することによって,様々な崩し方による草書体文字として再設計できることが示される.さらに,力覚誘導による書字学習においては,書字被験者は提示された手本文字に倣ってペンによる書字動作を行い,書字運動を学習する.手本文字はダイナミックフォントモデルとして設計し,デバイス側は,手本文字の運動軌道に基づいた力覚誘導を行ない運動を補助する.このとき軌道追従制御法の考え方を導入することで効果的な書字学習が可能な軌道を生成できる.繰り返しによる学習過程は手本との文字形状の違い,軌道誤差と書字時間およびペンから受けたカなどの面から評価する.
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