2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700205
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Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
西村 竜一 National Institute of Information and Communications Technology, ユニバーサルメディア研究センター超臨場感システムグループ, 専攻研究員 (30323116)
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Keywords | 空間マスキング / 音響信号処理 / 電子透かし / ヘッドホン受聴 / 両耳間差 |
Research Abstract |
音響信号を対象とした電子透かしは,著作権保護ばかりでなく,帯域拡張や付帯情報の付与など,様々な応用の可能性を秘めている.現在,多くの通信や放送メディアにおいてステレオ音響信号が用いられ,この場合は音に空間性が備わるために,従来のモノラル音信号への電子透かしとは異なる電子透かしの実現の可能性が生まれる.ヘッドホン聴取において,左右の位相を反転させるとその音の音像が広がり,ヒトにとっては音像の変化が知覚され難くなる.この特性に注目し,音の一部の成分の左右位相差を操作することによって,電子透かしをステレオ音響信号に埋め込む手法の提案を行った.さらに積極的に音の空間性を利用するためには,音空間をヒトに正確に知覚させられる技術が必要となる.ヘッドホン再生を想定すると,音空間を知覚させるためには個々人で異なる頭部伝達関数の合理的な取得方法と,さらに個々人で異なる鼓膜のインピーダンスおよびヘッドホン特性のカップリングを補正する再生手法の検討が必要となる.前年度に,様々なヘッドホンを対象としてヘッドホン受聴時の外耳道の伝達関数について調査し,外耳道閉そく状態で音圧を制御した場合には,ヘッドホンにより鼓膜面での音圧が大きくばらつくことを示すとともに,正確な制御手法の可能性について考察した.本年度は,その検討結果をさらに発展させ,外耳における音響伝達系を電気等価回路で表現して検討することにより,完全開放型のヘッドホンに限らず密閉型のヘッドホンにおいても,鼓膜面での音圧を広い周波数範囲で正確に制御するための補正関数の導出を行った.これらの検討結果は,音響学会やIEEEの国際会議で挙表するとともに.査読付き論文誌へ投稿した.
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Research Products
(3 results)