2009 Fiscal Year Annual Research Report
確率的生成モデルとその学習法の開発-実データ及び脳計測データへの適用-
Project/Area Number |
20700220
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
寺園 泰 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特任研究員 (90435785)
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Keywords | 確率 / 生成モデル / 学習 / 脳活動 / 情報量 / 隠れ状態 / MEG / 逆問題 |
Research Abstract |
本研究では,扱いやすい確率的な生成モデルを構築することと,そのモデルを実際の学習・処理すべきデータ,およびそれを処理している最中の人間の脳活動計測データへ適用し,挙動を調べることを目指している. 今年度は,まず確率的な生成モデルについては,モデルの内部状態の数も含めてデータから推定できるという特徴から近年進展している非有限HMM,および内部状態の多次元化を独立駆動の複数のHMM(隠れマルコフモデル)で表現するファクトリアルHMM,さらにそれらの組み合わせである非有限ファクトリアルHMMなどを調査した.複数の確率変数によるモデルではほかにダイナミックベイジアンネットワークなどが挙げられるが,より扱いが容易で,かつディリクレ過程を事前情報として内部状態数などを柔軟に学習可能な枠組みが提案されてきていることから,HMMベースの手法に注目した.ファクトリアルHMM及びその関連手法では,結果的に複数のユニット間で協調した学習が行われるが,ビリーフ・プロパゲーション的なある種のローカル性を持った学習にはなっていないように見受けられ,こうした点を次年度の研究で検討対象としたい. 次に,MEG(脳磁場計測)などの脳活動計測データについては,点信号源についての計測値からの再構成理論の確立を行い,論文化の作業を進めた(2010年4月に投稿).計測値からの信号源の再構成すなわち逆問題において,信号源のクラス・計測系・再構成手法の各々について,再構成可能・不可能の範囲を明確化することは,逆問題の分野において足場となる知見であり,本理論はそうした足場のうちでも基礎的なもののひとつであると目している.
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