2008 Fiscal Year Annual Research Report
地域SNSの活用による地域活性化についての、研究枠組みの構築
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20700230
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Research Institution | International University of Japan |
Principal Investigator |
庄司 昌彦 International University of Japan, グローバル・コミュニケーション・センター, 講師 (50399771)
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Keywords | SNS / 地域活性化 / ソーシャルキャピタル / まちつぐり / 電子自治体 / ガバナンス / 地域情報化 / eデモクラシー |
Research Abstract |
1. 理論的検討 地域SNSを語る上で、自然科学、社会科学、規範的議論の三つのネットワークに関する議論が混在していることを明らかにした。そしてソーシャルキャピタル論、特に橋渡し型・結束型の概念が、各地の実例を説明する概念として説得的であることを示した。また地域SNSが多主体連携による地域社会のガバナンスの「場」全体になるのではなく、クラスターとしてその部分を構成するのではないかという仮説に至った。さらに、ネットワーク科学による地域SNS研究から定量的な評価指標の作成に向けた示唆を得た。これらの検討により、人のつながりに着目した地域活性化の取り組みを、実態に即した枠組みで認識するための議論の整理が進展した。 2. 現地聞き取り調査 国内外の事例の現地聞き取り調査に基づき、地域SNSは対象地域の広さと人間関係のあり方の観点から「4つ」に分類されるという類型仮説を「5つ」の分類に変更し、「2つの類型に収束する」という仮説を、「5類型それぞれに発展の方向性がある」という仮説に変更した。また特に、フランスの事例(Peuplade)を分析し、ユーザーのオフライン志向など日本の事例との共通点や、日本の「過去志向」に対する「未来志向」などの相違点を明らかにした。さらに、これらの先進事例の概要と分析を雑誌およびウェブサイト(http://ww.local-socio.net/)にて公開し、「地域SNS全国フォーラム(第3回・第4回)」や「地域SNS研究会SNS(http://sns.local-socio.net/)」等の場も活用して実際の運営者にフィードバックした。 3. 評価指標の検討 理論的検討や聞き取り調査に基づき、地域SNSの多様性を反映する必要性など、今後の具体的な指標案作成に向けた基本方針をまとめた。
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