2008 Fiscal Year Annual Research Report
アーカイブズの特性を反映した記述規則の開発に向けた研究
Project/Area Number |
20700232
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Research Institution | National Institute of Japanese Literature |
Principal Investigator |
坂口 貴弘 National Institute of Japanese Literature, アーカイブズ研究系, 機関研究員 (80462175)
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Keywords | アーカイブズ / 文書管理 / メタデータ / 文書館 / 目録規則 / ファイリング / 情報公開 / 命名法 |
Research Abstract |
本研究は、アーカイブズ資料の記述を制御する諸規則の整備によって、検索性能の向上、コストの削減を図るため、日本のアーカイブズに適した記述規則の要件について検討するものである。現用記録とアーカイブズを一体的に把握する立場から、国内外のアーカイブズ学及び文書管理論の成果の統合を志向する。関連分野における記述規則の研究も参照しつつ、日本における記録記述の実態を踏まえた理論と技法を提示する。 本年度はまず、アーカイブズ記述研究の世界的動向についての情報を収集すべく、マレーシアで開催された国際アーカイブズ評議会(ICA)の大会に参加した。国際的な記述標準の開発、各国におけるメタデータ研究の進展等について最新の状況を把握するとともに、多くのアーカイブズ学研究者との交流を進めた。また、諸外国及び関連分野における記述規則関連の文献等を収集した。 その上で本年度は、北米のアーカイブズ記述規則の分析に重点を置いた。これらは先行して制定されていた図書館界の目録規則をベースにしており、両者の比較によって、アーカイブズの特性やアーカイブズ学の理論・原則が記述規則にどう反映されているのかが明確になる。具体的には、米国のDescribing Archives : A Content Standard(DACS)とカナダのRules for Archival Description(RAD)2008年改訂版を、図書館界の目録規則として英米目録規則第2版(AACR2)をそれぞれ取り上げた。各規則の全体的な構成と記述項目の構成について比較した後、「タイトル」「日付」「数量」の各項目に関する個々の規定内容について分析した。その成果を「研究発表」に記した論文において発表した。
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