2008 Fiscal Year Annual Research Report
特許における「発明者」情報を基にした大学の知的貢献活動の実態の解明
Project/Area Number |
20700233
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Research Institution | National Institute of Science and Technology Policy |
Principal Investigator |
金間 大介 National Institute of Science and Technology Policy, 科学技術動向研究センター, 研究員 (80435742)
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Keywords | 知的財産 / 産学連携 / 科学技術政策 / 技術経営 / イノベーション |
Research Abstract |
本研究では、90年代後半から2004年の国立大学法人化にかけて著しく変化する大学発特許の実態を解明することを目的として、筑波大学、広島大学、東北大学の3大学をモデルとして、これらの大学の研究者が関連する全出願特許を把握・分析した。大学発特許の帰属先構成は、大きく分けて「大学帰属」、「TLO帰属」、「個人帰属」、「企業帰属」、およびこれらの共同出願から構成される。これらの特許を全て把握するため、本年度は当該大学の研究者を「発明者」に持つ特許を全て抽出した。 結果として、モデルとした3大学ともに、1998年から2000年頃にかけて、大学発特許は顕著な増加傾向に転じていることが明らかになった。これは、国際競争の激化に伴い科学技術の重要性が高まり、産学連携活動が活発化した時期と一致している。また、同時期には、大学等技術移転促進法(TLO法)や産業活力再生特別措置法(日本版バイドール法)が施行されており、大学発特許の増加はこれら経済社会的な要因と政策的な要因が複合的に働いた結果と考えられる。 また、調査した3大学ともに、法人化によって、それまで最も高い割合を占めていた企業の単独出願特許は大幅に減少し、変わって大学が単独で出願する特許の割合が急増し、結果的に企業のそれを逆転していることが分かった。一方で、法人化の前後で大学発特許の増加傾向には大きな変化は見られなかった。法人化により明らかに変化した点は、出願特許の総量ではなくその帰属先であったと言える。
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Research Products
(3 results)