2009 Fiscal Year Annual Research Report
概念情報の空間的な広がりと視覚的注意との相互作用の探究
Project/Area Number |
20700246
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Research Institution | University of the Sacred Heart |
Principal Investigator |
永井 淳一 University of the Sacred Heart, 文学部, 講師 (10343104)
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Keywords | 視覚的注意 / 視覚探索 / 先行提示効果 / 概念 / 日常物体 / 物体ベースの注意 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き「先行呈示探索」および「物体ベースの注意」のパラダイムによる実験を進めた。 先行提示探索とは、視覚探索課題において妨害刺激の一部を先行提示した後、標的刺激を含む残りの刺激を追加提示するというパラダイムであり、この場合、標的刺激の探索時間が先行提示された妨害刺激の影響を受けず、あたかも後続提示された刺激のみの中から探索が行われうる現象(先行提示効果)が生じる。昨年度の研究では、刺激として日常物体を使用し、先行刺激と後続刺激の概念的カテゴリの異同、および、目標刺激のカテゴリの予測可能性を操作した実験を行った結果、目標刺激のカテゴリが予測不可能な場合に限り、カテゴリが同じである条件で先行提示効果の減少が認められた(カテゴリに基づく負の持ち越し)。本年度は、この研究成果を論文にまとめて投稿し、学術雑誌に掲載されるに至った。さらに、先行刺激と後続刺激の提示時間間隔を操作した実験の結果、目標刺激のカテゴリが予測可能な場合であっても、先行刺激の提示時間を3秒に延長することで(従来の研究では1秒)、カテゴリに基づく負の持ち越しが生じることが新たにわかった。 物体ベースの注意のパラダイムによる先行研究では、連続した物体の範囲内に注意が広がることが示されてきた。本研究では、離れた位置に提示された同色の正方形どうしが空間内で群化され、その範囲に注意が広がるかどうかを検討した。画面上の4箇所に配置された正方形の1個に先行手がかりを提示した直後に、手がかりが提示された正方形から等距離の位置にある他の正方形に標的の光点を提示し、単純反応時間を測定した。その結果、手がかりが提示された正方形とターゲットが提示された正方形が同色の場合に反応時間が短くなるという結果が得られた。これは、離れた位置に提示された同色の物体の範囲に注意が広がることを示唆する、新たな知見である。
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Research Products
(3 results)