2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700251
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
金森 敬文 Nagoya University, 情報科学研究科, 准教授 (60334546)
|
Keywords | 機械学習 / 数理工学 / 統計数学 |
Research Abstract |
今年度は主に密度比の推定の理論とその応用,また最適化手法の機械学習への応用について研究を行った. 1. 密度比とは,ふたつの確率密度関数の比によって表される関数であり,共変量シフトのもとでの学習や外れ値検出,特徴抽出,次元削減,独立成分分析,2標本問題など広範に応用され,機械学習における基本的方法として確立されつつある.今年度の研究では,2乗誤差関数に基づく方法を提案し,そのソフトウェアを開発して公開しているまた新たな応用として特徴抽出や2標本問題を取り上げた.さらに推定精度に関して理論的な研究を推進した.その結果,提案した方法が,他の方法と比較して,統計モデルが必ずしも正しくない状況において優れた性能を有することが明らかにされ,理論と実践の両面において特段の進展を遂げることとなった.これらの成果は,"A Least-squares Approach to Direct Importance Estimation", "Theoretical Analysis of Density Ratio Estimation"など複数の論文にまとめられ,国際的な評価が極めて高い論文誌に出版されている. 2. 金融工学において重要な指標として利用されている条件付きバリューアットリスクを,機械学習における2値判別の問題に応用した.とくに入力を観測する際にノイズが加わる状況を考慮した推論問題へ拡張を行い,理論と応用の両面で成果を得た.また最適化手法と機械学習の密接な関連についても考察し,両分野にまたがる研究成果として今後の進展が期待される.これらの成果は,"A robust Approach Based on Conditional Value-at-Risk to Statistical Learning Problems"などの論文にまとめられ出版されている.
|