2008 Fiscal Year Annual Research Report
多次元尺度構成法による単相多元データ分析のための方法論の構築
Project/Area Number |
20700257
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
中山 厚穂 Rikkyo University, 経営学部, 助教 (60434198)
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Keywords | Conditional association / Dyadic relationships / Marginal association / Multidimensional scaling / Multi-way relationships / Triadic distance / Visualization |
Research Abstract |
2つの対象間の近接度に基づいて2つの対象間の距離を定めることで対象間の関係を表現する単相2元MDSと呼ばれる手法が一般的であった. 単相2元MDSにより求められた布置から明らかとなる関係は, 2つの対象間の近接度に基づくものであり, 3つや4つなどそれ以上の対象間の近接度による関係は, 2つの対象間の近接度に置き換えることで表現され, 直接的には表現されない. つまり, 3つの対象間の同時購買を分析する際には, 第3番目の対象の影響については考慮せずに2つの対象間の同時購買の関係とみなして分析は行われることになる. しかし, 本来であれば3つの対象間以上の関係も2つの対象間の関係に置き換えることなく, 直接的に表現することができれば, 対象間のあるべき本来の関係が表現できるのではないかという考えも存在する. そこで, 第3番目以降の対象の影響も考慮した分析を行うことが大切であると考え, そのためのモデルについて研究を行った. そこで, 本研究課題においては, n個の対象からなるデータが与えられているとき, そのデータからn個の関係を表すデータを作成し, そのデータから2つの対象間の情報を取り除く. 次に, 2つの対象間の情報を取り除いたn個の対象間の関係を表すデータから, 3つの対象間の関係の情報を取り除く. このようなプロセスを繰り返しながら, 順次,(n-1)個の対象間の関係を表す情報までをn個の関係を表すデータから取り除いていきながら分析を行うモデの提案を行なった. 提案したモデルを様々な実データに適用した結果, 第3番目以降の対象の影響も考慮した分析を行えば良いのか, それとも従来通りの2つの対象間の近接度に基づく単相2元MDSによる分析を行えば良いのかどうかということについての指針を提案モデルにより示すことができることが判明した. 今後は, シミュレーションを行い, モデルの妥当性を示していく必要があると考える.
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