2009 Fiscal Year Annual Research Report
大規模ランダム行列を用いたモデル選択と機械学習理論
Project/Area Number |
20700258
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
小林 景 The Institute of Statistical Mathematics, 数理・推論研究系, 助教 (90465922)
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Keywords | 大規模ランダム行列 / カーネルマシン / カーネルグラム行列 / モデル選択 |
Research Abstract |
本年度は,大規模ランダム行列理論の基礎とするため,まず可換部分である代数統計学を調べるため,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスのHenry Wynn氏と共同研究を行った.主に可換代数学を用いる代数統計学を情報幾何学の問題の代数化,推定量の有効性の条件を与える微分幾何学的特徴量の代数的計算手法を提案した.具体的には,曲指数型分布族のうち代数的な計算が計算機により実行できるようなモデルのクラスを提案し,また,同様に代数的計算ができるような推定量のクラスを提案した.これを用いれば,例えば対数周辺分布族に対して,高次有効で代数的な推定量を提案することができる.これらの代数的な手法は,現時点では大規模なデータ構造や特異モデルには対応していないが,今後これらのモデルに一般化されることが期待される.本調査研究の具体的な研究成果については,Henry Wynn氏,Eva Riccomagno氏(ジェノバ大学数学科)との共著論文として発表予定である. また,情報幾何学的な考察に基づいたベイズ予測の回帰モデルについて,ロンドン大学クイーン・メアリー校の統計学科で発表した.Henry Wynn氏はベイズ理論を代数的に正当化する方法を研究しており,情報幾何学によって自然に正当化されるベイズ予測についても,代数的に正当化する可能性についてHenry Wynn氏と議論した.このアイデアを進めれば,情報幾何学のより深いレベルでの代数化につながる可能性がある. また,同じく代数的統計モデルの一つであるデンドログラムモデルについての並べ変え検定について統計関連大会連合大会において発表した.
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