2008 Fiscal Year Annual Research Report
解析的アプローチを用いた一般化線形モデルのBayes解析
Project/Area Number |
20700259
|
Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
大西 俊郎 The Institute of Statistical Mathematics, データ科学研究系, 助教 (60353413)
|
Keywords | 統計数学 / 一般化線形モデル / Bayes統計 / 共役事前分布 / Tweedie分布 / 降水量データ / 国際研究者交流 / オーストラリア |
Research Abstract |
指数型分布族に属する分布の1つにTweedie分布と呼ばれるものがある。この分布は原点にmassをもち、正の領域では連続型であるため、降水量データなどゼロを多く含むデータの解析に非常に便利である。このTweedie分布をベースにした一般化線形モデル(以下、Tweedie一般化線形モデルと呼ぶ)は共役解析可能なモデルであることが申請者によって証明されている。共役事前分布は位置母数分布族に属する。申請者は別の研究からこの位置母数分布族自身も共役解析可能であることを示している。 サンシャインコースト大学(オーストラリア)のPeter Dunn准教授はTweedie分布の優れた数値評価プログラムを作成している。申請者による理論的成果とDunn准教授のプログラムの融合が本研究の特色である。現在、Tweedie一般化線形モデルにおけるBayes推定のパフォーマンスのよさを示すため、数値シミュレーションを行っている最中である。また、理論的側面としては、上記で扱ったモデルが一般化線形混合モデルの一種であることを示した。共役解析可能という意味で解析的取扱いができる一般化線形混合モデルの例として非常に興味深い。 関連する研究として、上記の位置母数分布をベースにした線形モデルを扱っている。この線形モデルもまた共役解析可能であることを示した。両者の間には密度関数の意味で大きな差があるが、尤度関数が共通という非常に面白い性質がある。この点に着目してさらに研究を進める予定である。
|