2010 Fiscal Year Annual Research Report
解析的アプローチを用いた一般化線形モデルのBayes解析
Project/Area Number |
20700259
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Research Institution | The Institute of Statistical Mathematics |
Principal Investigator |
大西 俊郎 九州大学, 大学院・経済学研究院, 准教授 (60353413)
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Keywords | 統計数学 / 一般化線形モデル / Bayes統計学 / 共役事前分布 / Tweedie分布 / 降水量データ / 国際情報交換 / オーストラリア |
Research Abstract |
1.研究対象の統計モデルは、Tweedie分布と呼ばれる確率分布である。降水量データや支払保険金データの解析に便利なものとして知られている。Tweedie分布は指数型分布族に属しており、この確率分布をベースにした一般化線形モデルは応用上重要であるだけでなく、理論的にも面白い統計モデルである。以下、Tweedie一般化線形モデルと呼ぶ。 2.着眼点は、申請者がTweedie一般化線形モデルに関して行った研究結果-(1)Location familyと同じ尤度関数をもつこと、および、(2)共役事前分布が存在し、共役解析可能一である。実際、Tweedie一般化線形モデルは曲指数型分布族に属するlocation familyを通じて理解することができる。したがって、曲指数型分布族における共役解析を論じたOhnishi & Yanagimoto (2010)の結果が適用できる。 3.研究実績の1つは、Yanagimoto & Ohnishi (2011)である。鞍点予測分布という概念を導入し、Bayes型モデル選択基準との関連を論じた。Deviance Information Criterion (DIC)として知られているモデル選択基準に対してある種の正当化を与えることができる。鞍点予測分布とは、対数尤度比と損失の2つの項がバランスするような予測分布である。尤度原理によれば対数尤度比は大きければ大きいほどよく、損失は小さければ小さいほどよい。望大項と望小項が釣り合うという面白い性質である。 4.もう1つの研究実績は、location familyにおいて対数尤度比および損失を上手く定義することにより、上記のような等式を導いたことである。尤度推定関数、Stein型推定関数およびBayes型推定関数について成立することを研究集会で発表した。
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