2008 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質3次元構造データベースに対する高速かつ柔軟な検索手法とその応用
Project/Area Number |
20700264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渋谷 哲朗 The University of Tokyo, 医科学研究所, 准教授 (60396893)
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Keywords | アルゴリズム / 検索技術 / データベース / 生物情報 / タンパク質 / 3次元立体構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、タンパク質等の生体化合物の立体構造データベースから類似構造検索を行う技術とその応用技術の確立をめざしたものである。初年度である当該年度では、実施計画どおり、タンパク質立体構造データベースに対する検索アルゴリズムの研究を行った。 その結果、これまで立体構造データベースから、従来手法と比べ、理論的にも実際(計算機実験上)にもはるかに高速に類似構造を探索できるアルゴリズムを開発することに成功した。この開発したアルゴリズムを用いれば、従来不可能だと思われていた線形時間でのタンパク質3次元類似構造検索を線形時間で検索することが可能となる。また、このアルゴリズムの理論性能が線形時間であることを証明するために、本研究では、タンパク質の3次元構造を扱うアルゴリズムの理論的評価を行う全く新しい数学的手法を開発することにも成功した。これらの成果は、この分野における最高の権威を持つ学会であるRECOMB(13th Annual International Conference on Research in Computational Molecular Biology)に今年度(2009年)採択され、6月に発表予定である。 また、これらの成果に加えて、立体構造比較のアルゴリズムの研究も行い、立体構造の比較に基づいて立体構造内のヒンジ構造を発見するアルゴリズムも開発した。従来のヒンジ構造発見アルゴリズムは二乗時間以上の時間がかかるものがほとんどであったが、本研究で開発した手法によって、それが線形時間で可能となった。この成果は、IEEE/ACM Transactions on Computational Biologyand Bioinformaticsへの採録が決定している。
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Research Products
(1 results)