2009 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質3次元構造データベースに対する高速かつ柔軟な検索手法とその応用
Project/Area Number |
20700264
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
渋谷 哲朗 The University of Tokyo, 医学部・研究所, 准教授 (60396893)
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Keywords | アルゴリズム / 検索技術 / データベース / 生物情報 / タンパク質 / 3次元立体構造 |
Research Abstract |
本研究の目的は、タンパク質等の生体化合物の立体構造データベースから類似構造検索を行う技術とその応用技術の確立をめざしたものである。初年度は、計画通り、理論的にも実際にも極めて高速なタンパク質立体構造探索のための革新的な基礎アルゴリズムの開発に成功した。2年目にあたる本年度は、当初計画に基づいて、さらに上記の基本アルゴリズムを発展させ、より実用に近い応用的アルゴリズムの開発を行った。 本年度の研究においては、前年度までに開発したアルゴリズムの詳しい解析を行うとともに、より実用上の問題により近く重要ではあるが従来より極めて困難と考えられてきた、挿入・削除を考慮したタンパク質立体構造探索問題に対して、その計算困難性に関して一定の新しい成果を上げることに成功した。さらに、前年度に開発したアルゴリズムを拡張することにより、同問題に対し極めて効率的な線形時間探索アルゴリズムの開発に成功した。 本研究の成果は、まだ研究2年目であるにも関わらず、以下に述べるように、きわめて高い国際的評価を受けることができた。まず、計算生物学における最高峰の査読付国際会議であるRECOMB (13th Annual International Conference on Research in Computational Molecular Biology)において本研究の成果発表を行い、その会議において唯一の最優秀論文に与えられるBest Paper Awardに本成果が選ばれた。また、さらに、情報科学における最高ランクの国際雑誌である、Journal of the ACMに本研究の成果が掲載された。また、高難度の査読付国際会議であるWABI(Workshop on Algorithm in Bioinformatics)においても、成果発表を行った。
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