2008 Fiscal Year Annual Research Report
システム生物学・構成的生物学に基づく弛張型発振回路の設計と構築
Project/Area Number |
20700271
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柚木 克之 Keio University, 理工学部, 助教 (70433745)
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Keywords | 合成生物学 / システム生物学 / 1細胞イメージング / 定量測定 / 転写調節因子 / プロモータ7 / 反応速度式 / 二色蛍光 |
Research Abstract |
本研究では人工遺伝子回路の構築を目指しているが、その合理的設計のためには、構成部品となる各種転写調節因子と、その制御下にあるプロモーターとの入出力関係を定量測定することが欠かせない。そこで今年度は、大腸菌の1細胞蛍光イメージングにより、蛍光強度時系列から転写調節因子とプロモーターとの入出力関係を定量測定する系の確立を第一目標とした。ここで入出力関係とは、プロモーター直下に置いた遺伝子の発現速度を転写調節因子濃度の関数として表した反応速度式のことを指す。 最初に測定する転写調節因子にはlacリプレッサー(LacIタンパク質)を選び、これを赤色蛍光タンパク質mCherryと融合したものを「入力」のプローブとした。lacリプレッサーによって発現強度が左右されるPlacプロモーターの直下には緑色蛍光タンパク質の変異体であるgfpmut3b遺伝子を配置し、これを「出力」のプローブとした。 これまでに、緑色蛍光について、細胞分裂する大腸菌の1細胞蛍光強度時系列を測定することに成功した。現在、1細胞において赤色(LacI-mCherry)と緑色(GFPmut3b)の二色蛍光強度時系列を同時に捕捉するためのDNAコンストラクトを作成中である。このDNAコンストラクトは、プロモーターや転写調節因子遺伝子をカセット化しているため、lacリプレッサー/Placプロモーター以外の組み合わせの転写調節因子・プロモーターの定量測定に容易に応用可能な設計となっている。これを用いて、合成生物学で用いられている各種転写調節因子とプロモーターの入出力関係を定量測定し、測定系としての実用性を実証する予定である。
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Research Products
(1 results)