2008 Fiscal Year Annual Research Report
空間統計学を用いた生体情報システムを解析する手法の開発
Project/Area Number |
20700274
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
根本 航 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 生命情報工学研究センター, 産総研特別研究員 (10455438)
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Keywords | 空間統計学 / 生化学的機能 / 分子間(内)ネットワーク / 機能部位 / 配列空間 |
Research Abstract |
本研究では、二つの異なるネットワークデータ(タンパク質分子内の残基間ネットワーク・タンパク質間相互作用(PPI)ネットワーク)に、位置情報を考慮できる統計学(空間統計学)を適用し、タンパク質の生化学的機能・生物学的機能を解明する次の二つの手法を開発している。 手法A : タンパク質の立体構造が一つ与えられた時に、その立体構造とフォールドが同じで、かつ、機能部位(触媒部位、タンパク質間相互作用インターフェイス)の位置が保存されている配列空間の範囲を予測する手法。 手法B : PPIネットワークデータが与えられた時に、アミノ酸配列情報を利用して、ネットワーク内でハブとなっているタンパク質が、パーティーハブなのかデートハブなのかを予測する手法。 進捗状況 手法A : 機能部位を共有する配列群と、機能部位を共有しない配列が含まれた配列群とを区別するスコアを設計し、その判別精度を評価した。複数の機能部位を有する場合、判別が比較的難しく、特に、互いの進化速度が異なる場合、その影響が顕著であることを突き止めた。 手法B : PPIネットワークを構成する各タンパク質の保存度に関し空間的自己相関が存在するかどうかを検討したところ、弱いながらも観測できる条件を見いだすことができた。しかし、空間統計学の分野でも克服されていない「可変単位地区問題」がPPIネットワークにおいては、より顕著であることがわかり、その検討を行っている。
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