2011 Fiscal Year Annual Research Report
神経科学と画像工学に同時に貢献する初期視覚モデルの研究
Project/Area Number |
20700279
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
佐藤 俊治 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (50333844)
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Keywords | 視覚数理モデル / V1野 / MT野 / コントラスト依存性 / 受容野モデル / OpenRTM |
Research Abstract |
視覚の計算論研究を進めるとともに,これまでに得られた視覚計算数理モデルを結合し,中規模な視覚計算論モデルのシミュレーションを行うことを目的として研究を遂行した.また,全世界にモデルを公開し,また今後の数理モデル研究を各段に向上させるべく数理モデル構築用のプラットフォーム整備,ならびに実際に計算するデータベースの構築にも取り組んだ. 計算論研究について具体的に述べる.コントラスト依存性を持つ速度知覚のモデル構築(MT・MSTやモデルへの展開)ならびに統合理論の構築を行うために,速度知覚に関する基盤的な心理物理実験と数理モデルの導出に成功した.このモデルはこれまで説明が不可能とされてきた知覚特性とMT細胞特性間の矛盾する現象を解決するモデルである. また,研究成果のsustainabilityを高めるために,モデル構築に適切な計算プラットフォームの調査と基本的開発に着手した.視覚を対象とした研究者は多いが,広範囲で複雑であるため,(将来的には必要であると言われてきたがほとんど着手されていない)数理モデル構築用のプラットフォーム構築に取り組んだ.本研究代表者の3年間にわたる調査の結果,ロボット構築用のソフトウェアプラットフォームであるOpenRTMが視覚モデル研究にも有効であることを見出し,実際に複数の数理モデルをOpenRTM上で結合し実行できることを示すことができた.ただし,視覚モデル用に必要な機能などは(当然ではあるが)十分に整備されていないため,新たなライブラリの作成なども行った. さらに,視覚数理モデルを高速にシミュレーションするための並列計算処理方法についても検討を行った.
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Research Products
(10 results)