2008 Fiscal Year Annual Research Report
神経系の新しいサイトカインCblnファミリー分子の機能解析
Project/Area Number |
20700295
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
飯島 崇利 Keio University, 医学部, 助教 (90383702)
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Keywords | シナプス形成 / 小脳 / サイトカイン / シナプス可塑性 / Clq / TNF-aスーパーファミリー |
Research Abstract |
Cbln1はClq/TNF-alphaスーパーファミリーに属する新しい分泌タンパク質であり、小脳顆粒細胞に豊富に発現する。cbln1ノックアウトマウスは平行線維-プルキンエ細胞間におけるシナプス形成不全やLTDの障害が見られることから、成熟小脳においてシナプス形成維持やシナプス可塑性に関わることが示唆されている。また興味深いことに、これまでにCbln1には少なくとも他に構造的に非常に類似した3つのファミリー分子(Cbln2, Cbln3, Cbln4)が神経系で存在し、Cbh1ファミリーがCbln3を除いて全てが糖鎖修飾を受ける分泌タンパク質であること、さらに分泌能を持たないCbln3もCbhl1とヘテロマーを形成して分泌タンパク質として機能することを明らかにした(Miura et al., Eur. J.Neurosic, 2006 ; Iijima et al,, Eur.J Neurosci., 2007)。 今年度は、Cbln1が小脳Purkinje細胞のシナプス後膜に選択的に結合し、cbln1ノックアウトマウスの成熟脳において急速にシナプス形成を誘導させることを明らかにしたとともに(Ito-Ishida et al., J.Neurosci., 2008 ; Matsuda et al., Eur. J. Neurosci., 2009)、Cbln1の遺伝子発現が過剰な神経活動の亢進によって抑制され、小脳Purkinje細胞上の興奮性シナプスの数をダイナミックに制御していること、また同様の機構によってCbln1の発達期の発現が顆粒細胞の膜電位変化に依存していることを示した(Iijima et al., J.Neurosic., 2009)。
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Research Products
(4 results)