2009 Fiscal Year Annual Research Report
前頭皮質局所回路における興奮性細胞と抑制性細胞の情報処理の解明
Project/Area Number |
20700298
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
高田 美絵子 (森島 美絵子) National Institute for Physiological Sciences, 大脳皮質機能研究系, 助教 (30435531)
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Keywords | 大脳皮質 / 錐体細胞 / 抑制性細胞 |
Research Abstract |
大脳皮質5層の錐体細胞は皮質外投射・発火様式からサブタイプに分けられることが知られている。特に、前頭皮質5層錐体細胞を皮質外投射パターンから、軸索が錐体路に入り橋核まで行く錐体細胞(橋核投射錐体細胞)、もう一つは線条体に軸索側枝を伸ばすが、それより尾側には投射しない錐体細胞(両側線条体投射錐体細胞)に分けられる。このサブグループ間には結合選択性があること以前に報告した。皮質内回路を明らかとするうえで、結合選択性のみられた錐体細胞サブグループに対する抑制性細胞の入力様式がどのようになっているか、興奮性-抑制性の機能的意義を明らかとするために研究課題に取り組んだ。本研究では、2種の錐体細胞と抑制細胞のシナプス結合パターンを多重ホールセル記録することによって調べた。抑制性細胞は細胞内通電に対する発火パターンから、Fast-spiking(FS)細胞とLow-threshold-spiking(LTS)細胞から記録を行った。FS細胞と錐体細胞間の結合性を調べた結果、錐体細胞のサブタイプによらず、FS細胞に興奮結合する錐体細胞は、興奮結合したFS細胞から抑制を受ける確率が高くなり、また、FS細胞から2つの錐体細胞への同時入力は、二つの錐体細胞間の結合性に依存していなかった。LTS細胞から錐体細胞への入力を調べた結果、LTS細胞と錐体細胞間での結合性はFS細胞とは異なり、相互結合をしているペアは少ないという結果が得られた。これらの結果より錐体細胞を中心とした皮質内回路は、2種の抑制性細胞で異なった結合特性を持つことが示された。
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Research Products
(2 results)