2008 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス形成を調節するテレンセファリン結合分子群の網羅的解析
Project/Area Number |
20700307
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
古谷 裕 The Institute of Physical and Chemical Research, シナプス分子機構研究チーム, 研究員 (80392108)
|
Keywords | シナプス / フィロポディア / スパイン / 細胞接着分子 / テレンセファリン / プロテオミクス |
Research Abstract |
テレンセファリンは樹状突起フィロポディアの形成と維持に係わっている。そして、樹状突起フィロポディアはスパインの前駆体と考えられており、シナプス形成における重要な働きを担うことが知られている。これまでにスパイン形成を制御する分子はよく知られていたが、フィロポディア形成に関わる分子はほとんど知られていなかった。そこで、テレンセファリンがビトロネクチンと特異的に結合することを利用して、ビトロネクチンコートしたマグネットビーズを用いてテレンセファリンを集積させ、ここに集まってくる分子を精製し質量分析器により網羅的に解析した。この結果より樹状突起フィロポディアに局在する分子を同定した。また、樹状突起フィロポディア形成において重要な働きを持つERM (Ezrin, Radixin, and Moesin)タンパク質をリン酸化するキナーゼの候補分子を得た。さらに、網羅的に分子を解析した結果からフィロポディアからスパイン形成にかけて重要なシグナルカスケードを同定した。これまでの実験で、テレンセファリン遺伝子欠損マウスはスパイン形成を促進することが解っており、そして活性化型Ezrinを培養海馬神経細胞に過剰発現させるとフィロポディア形成を促進することが解っている。そこで、スパインまたはフィロポディア形成を促進したマウスを作製し、樹状突起の形態の違いにより高次脳機能が異なり、頭が固い、柔らかい、程よいなどの行動変化を明らかにすることを目指した。このために活性化型Ezrinを発現させたトランスジェニックマウスを作製した。
|