2008 Fiscal Year Annual Research Report
新規逆行性越シナプストレーシング法による大脳皮質-大脳基底核ループ回路の解析
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20700308
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
井上 謙一 Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (90455395)
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Keywords | 神経科学 / 脳・神経 / 解剖学 / バイオテクノロジー / ウイルス |
Research Abstract |
本研究は、狂犬病ウイルスを用いた逆行性越シナプストレーシング手法と、それを発展させた神経路選択的なトレーシング手法を組み合わせて、大脳皮質-大脳基底核ループの構築様式を明らかにしようとするものである。特に、これまでの研究で明らかになってきた並列ループ回路についで、回路間に交わりがあるのかを検証し、あるのならばその様式を明らかにすることを目的とする。 昨年度の研究では、サルの一次運動野、運動前野、補足眼野、前頭前野背外側部に加え、視覚野関連領野(V4, MT)への狂大病ウイルス注入実験を完了した。これらのサンプルにおいて、二次でラベルされる淡蒼球内節や黒質網様部の感染細胞の分布と、三次でラベルされる線条体・視床下核・淡蒼球外節の分布を調べ、その重なりがどの程度あるかを調べている。現在までに閉ループ回路と開ループ回路が別々に存在する可能性が示唆されており、より詳細な検討を進める。 また、昨年度の研究で狂犬病ウイルスCVS株のフルゲノムのクローニングと構成遺伝子のクローニングが完了し、ベクターとして利用できるようにウイルスゲノムcDNAから感染性ウイルス粒子を得る回収実験を開始した。この成果を受けて、次年度には狂大病ウイルスゲノムにGFPやRFP遺伝子等のマーカータンパク質を組み込んだ、越シナプス的神経トレーサーベクターを作製し、サルの異なる領野に別々のベクターを注入することにより、閉ループの程度についてより直接的な検討を行う。
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