2008 Fiscal Year Annual Research Report
脂質性二次伝達物質ジアシルグリセロールリン酸化酵素の神経細胞内微細局在・機能解析
Project/Area Number |
20700312
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
八月朔日 泰和 Yamagata University, 医学部, 助教 (00372334)
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Keywords | ジアシルグリセロールキナーゼ / 免疫組織化学染色 / 特異抗体 / 共焦点レーザー顕微鏡 / 蛍光多重染色法 / ポストシナプス / 免疫電子顕微鏡法 / 細胞膜 |
Research Abstract |
平成20年度はDGKβの神経細胞内における機能解析を行なうため、特に海馬に焦点を絞り、蛍光多重染色法を用いた共焦点レーザー顕微鏡による観察および免疫電子顕微鏡法により、DGKβ発現細胞の同定およびシナプス領域におけるDGKβの局在を詳細に検討した。 1 共焦点レーザー顕微鏡による解析 海馬CA1領域のラット脳組織切片において、分子マーカーを用いた蛍光多重染色法を施行した。その結果DGKβは海馬においてはGAD陰性を示す投射ニューロンおよびGAD陽性介在ニューロンの両者に発現していた。これは投射ニューロンのみに発現し、介在ニューロンには発現が認められなかった線条体におけるDGKβ発現形式とは異なる結果であった。またDGKβ免疫反応はシナプス前部のマーカーであるシナプトフィジンや、興奮性シナプス前部マーカーであるVGluT1および抑制性シナプス前部マーカーVGATの反応と近接するものの重ならず、PSD-95の反応とは重なる領域が多かったことから、DGKβはポストシナプスに局在することが推察された。 2 免疫電子顕微鏡法による解析 形態学的に分類されるGray I型シナプスはシナプス後膜の肥厚が著明であり、一般的には興奮性シナプスと考えられている。海馬CA1の棘突起において包埋後免疫電子顕微鏡法を施行し、DGKβが興奮性シナプス後部の細胞膜に多くが局在していることを明らかにした。更にシナプス後膜肥厚辺縁におけるDGKβの局在について検討した結果、棘突起細胞膜に局在するDGKβの54%がシナプス後膜肥厚辺縁に局在していることが明らかとなった。
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