2009 Fiscal Year Annual Research Report
プレシナプスにおけるCaチャネル複合体の形成及び制御機構に関する研究
Project/Area Number |
20700334
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
清中 茂樹 Kyoto University, 工学研究科, 助教 (90422980)
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Keywords | シナプス / カルシウムチャネル / RIM1 / 神経伝逹物質放出 |
Research Abstract |
昨年度までに、Rab3結合タンパク質として同定されたRIM1が電位依存性Ca^<2+>チャネルβサブユニットに結合してCa^<2+>チャネル活性を持続させ、その結果として神経伝達物質の放出が増大されることを報告した。RIMタンパク質には、4種類のサブタイプ(RIM1-4)が報告されている。そこで、本年度は、RIM2-4に着目し、その生理的意義の解明を行った。RIM2-4の発現分布についてウェスタンブロッティングおよびin situハイブリダイゼーション法を用いて評価したところ、RIM1と同様に主に脳に多く発現することがわかった。Ca^<2+>チャネルに対する親和性について評価したところ、RIM2はRIM1と同様の親和性を持っていたが、RIM3およびRIM4の親和性はRIM1に比べて低かった。Ca^<2+>チャネル活性に対する各RIMサブタイプの効果は、Ca^<2+>イメージングおよび電気生理学的手法を用いて評価した。BHK細胞を用いた組み換え発現系において、RIM1と同様に、RIM2-4の過剰発現によりCa^<2+>チャネル活性が劇的に持続した。また、内在的にRIM2-4を発現するPC12細胞においては、siRNAを用いたRIM2-4のノックダウンによりCa^<2+>チャネル活性が減弱し、またその遺伝子レスキューによりCa^<2+>チャネル活性が回復したことから、nativeの細胞においてもRIM2-4はCa^<2+>チャネル活性を制御していることが分かった。神経伝達物質の放出に関してPC12細胞を用いて評価したところ、RIM2-4を過剰発現することで上昇し、RIM2-4をノックダウンすることで損なわれた。すわなち、RIM2-4もRIM1と同様にCa^<2+>チャネル活性を制御することで神経伝達物質放出に関わっていると言える。
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Research Products
(4 results)