2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポリグルタミン病に対する凝集阻害ペプチドの新規脳内デリバリーによる分子治療
Project/Area Number |
20700336
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Research Institution | National Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
ポピエル ヘレナ・明子 National Center of Neurology and Psychiatry, 神経研究所 疾病研究第四部, 流動研究員 (40467593)
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Keywords | 神経科学 / 脳神経疾患 / ドラッグデリバリー / 血液脳関門 / 創薬 / 神経変性疾患 / ポリグルタミン病 / 凝集阻害 |
Research Abstract |
近年、アルツハイマー病、パーキンソン病、ポリグルタミン(PolyQ)病など多くの神経変性疾患において、蛋白質のミスフォールディング・凝集が神経変性を引き起こすという共通の発症分子メカニズムが考えられている。研究代表者の研究室ではこれまでにPolyQ鎖結合ペプチドQBP1が同定され、QBP1の遺伝子発現によりPolyQ病モデルショウジョウバエでの凝集阻害・神経変性抑制効果が示された(Hum Mol Genet, 2003)。さらにQBP1を体外から投与できる治療薬としての開発を目指し、研究代表者はペプチド・タンパク質などの細胞内導入を可能にする細胞膜透過性シグナル(PTD)に着目した。そしてPTDを付加したPTD-QBP1の体外からの投与によるショウジョウバエに対する治療効果を示した(Mol Ther, 2007)。しかしモデルマウスに対しては、PTD-QBP1の血液脳関門(BBB)通過効率が悪く、わずかな治療効果が得られたのみであった(Neurosci Lett, 2009)。今年度は、QBP1を体外からの投与によりBBBを通過し、脳内広範囲に効率良く到達する治療分子としての開発を目的とし、様々なPTD(Tat、Antpなど)、およびPTDと分泌シグナルの両方をもつSecPenを付加したQBP1のBBB通過効率とBBBに与える影響をin vitro BBB再構築系を用いて検討した。いずれのPTDも、QBP1のBBB通過効率を改善させた。またラット脳毛細血管内皮細胞を用いた細胞毒性試験では、PTDを付加したQBP1は5μM以上の濃度で顕著な細胞毒性が現れた。さらにPTD-QBP1はBBB再構築系に添加直後はBBBのバリアー機能の指標であるTEERを減少させ、タイトジャンクション構成タンパク質であるclaudin-5の発現パターンを変化させたが、培地からPTD-QBP1を除いて24時間後にはTEERは回復したことから、PTD-QBP1がBBBに与える影響は一過性であると考えられた。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 17-AAG, an HSF1-activator, suppresses polyglutamine-induced neurodegeneration via induction of molecular chaperones2009
Author(s)
Nagai Y, Fujikake N, Popiel HA, Okamoto Y, Yamaguchi M, Toda T, Wada K
Organizer
4th Intemational Congress on Stress Responses in Biology and Medicine
Place of Presentation
Gateaux Kingdom Hotel & Spa Resort, Sapporo, Japan
Year and Date
2009-10-06
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