2009 Fiscal Year Annual Research Report
反発因子セマホリンによるレドックスシグナリングの分子機構
Project/Area Number |
20700339
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
稲留 涼子 Tokyo University of Pharmacy and Life Science, 生命科学部, 研究員 (90408691)
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Keywords | 活性酸素 / レドックス / ミトコンドリア |
Research Abstract |
1. CRAGによるPML bodyのユビキチン化誘導機構の解析 CRAGによるPML bodyのユビキチン化を誘導するユビキチンリガーゼを同定する目的で、まずはPMLに移行が報告されているユビキチンリガーゼRBCK1とParkinとの関連性について解析した結果、CRAGはRBCK1、Parkin結合してPML bodyに移行することが明らかとなった。とくにParkinとの関連性は神経変性疾患の病態を考える上で興味深い。 2. レドックスシグナリングにおけるCRAGの機能解析 CRAGによるレドックスシグナルについて核内での転写制御機構を解析した結果、CRAGにより活性化される2種類の転写因子が同定された。今後、この転写因子らによって発現調節される遺伝子群が明らかになることが期待できる。 3. 活性酸素によるCRAGの活性化機構の解析 活性酸素によりダイレクトにCRAGが酸化され、核移行することを明らかにした。さらに、酸化されるシステイン残基を同定した。今後、CRAGのリン酸化による調節機構についても興味深いと考えている。 4. レドックスシグナリングにおけるCRAMの機能解析 CRAMによるセマホリンシグナルの抑制機構を解析した。紫外線照射などによるROSの発生に反応して、CRAM自身が酸化され、ユビキチン化されていることがわかった。CRAMがROSのスキャベンジャーとして機能して微小管を保護していることが示され、神経突起形成のメカニズムへの関与が示唆された。
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