2008 Fiscal Year Annual Research Report
コンプレキシンによるSNARE複合体会合体化とその意義
Project/Area Number |
20700343
|
Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
清水 千草 Tokushima Bunri University, 香川薬学部, 助教 (70435072)
|
Keywords | コンプレキシン / SNARE複合体 |
Research Abstract |
神経終末からの神経伝達物質の放出は、細胞外からのCaイオンの流入によるシナプス小胞とシナプス前膜との融合によって、仲介される。シナプス小胞とシナプス前膜との膜融合装置は、SNARE複合体であると考えられている。しかし、SNARE複合体だけでは、1ミリ秒以内で完結するシナプス伝達の速さを説明することができない。本研究では、SNARE複合体の機能を修飾する因子として、コンプレキシンに着目した。コンプレキシンは、SNARE複合体の会合化を促進することが報告されているが、その詳細な機能は明らかとなっていない。 コンプレキシンの105-134に含まれる電荷をもつアミノ酸が、SNARE複合体の会合体化に関与する可能性があり、電荷を持たないアラニンに変異させたコンプレキシンを作製した。このアラニンに変異させたコンプレキシン蛋白質と野生型のコンプレキシンを用いて、脳膜分画よりpull downアッセイを行った。その結果、野生型のコンプレキシンにシナプス小胞に存在し、Ca結合蛋白質であるシナプトタグミンが結合することがわかった。また、変異蛋白質には、シナプトタグミンができないことも明らかとなった。SNARE複合体がコンプレキシンの中央部分と結合することが報告されていることから、SNARE複合体とは異なる部位でシナプトタグミンはコンプレキシンと結合することがわかった。シナプトタグミンがコンプレキシンを介して、SNARE複合体の機能を修飾している可能性を示唆した。
|
Research Products
(5 results)