2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20700356
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
菅生 康子 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 脳神経情報研究部門, 主任研究員 (40357257)
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Keywords | 記憶 / 連合学習 / 下側頭皮質 |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、霊長類の脳の神経回路網の構造によってなされる、記憶形成のメカニズムを明らかにすることにある。そのため、既存の研究による知識の蓄積がある、視覚情報の記憶に関わる情報処理を解明する。長期記憶に関連する(あるいは記憶形成後の)下側頭皮質のニューロン活動を再現する神経回路モデルは提案されている。記憶の神経メカニズムを明らかにするためには、十分条件として、その神経回路モデルが記憶形成中のニューロン活動も再現することを示す必要がある。現状では、記憶形成中の下側頭皮質のニューロン活動についてモデルの立場からの予測はあるが、その実験的検証が遅れている。そこで本研究では、単一ニューロン活動の記録実験を行い、記憶形成中の情報処理を究明する。 本年度は、2頭のサルを用いて、視覚刺激の記憶形成課題を訓練した。記憶形成中のサルの内側側頭皮質より単一ニューロン活動の記録を行った。対照実験として、視覚刺激を注視中のニューロン活動も記録した。記憶形成後のニューロン活動に含まれる情報および、注視中のニューロン活動に含まれる情報を解析した。その結果、内側側頭皮質のニューロンの多くが、記憶形成後は視覚情報および記憶情報をコードしており、注視中のニューロン活動とは異なることが分かった。
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