2009 Fiscal Year Annual Research Report
生体におけるシグナル活性のin vivoイメージングマウスライブラリの樹立と応用
Project/Area Number |
20700361
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
築山 忠維 Hokkaido University, 大学院・医学研究科, 助教 (20399819)
|
Keywords | マウス遺伝学 / がん / 免疫 / シグナル伝達 / イメージング |
Research Abstract |
全ての生物において、シグナル伝達システムの厳密な制御は、生命を維持することに決定的に重要であるといえる。そこで我々は、本研究において生体内でこれらのシグナル活性を蛍光・発光によりイメージング・観察するためのシステム構築を目指し、さらにこのシステムを様々なシグナル活性変化を検出するレポーターとして活用することで、個体の形態形成から恒常性維持までに至るあらゆる生命現象を対象とした幅広い研究に対応させることを目的とした。 まず我々は多くの疾患に重要な役割を果たしていると考えられているNF-κBシグナルに注目し、そのシグナル活性を検出するためのシステム、NATシステムを構築した。その結果、従来のNF-κBシグナルレポーターシステムに対し検出感度で18倍、特異性で5倍高い値を示した(Immunology Letters ; 2007)。さらに我々は最終的な目標である"生体内におけるNF-κBシグナル活性のin vivoイメージング"を可能にするため、NATシステムを用いて10系統以上のレポータートランスジェニックマウスの作製を行ったが、全系統でシグナル活性検出能を示さなかったことから、何らかのサイレンシングが起こっているのではないかと考えた。そこで遺伝子が不活性化される可能性が低いと考えられるニワトリへとプロモーター配列を変更し、引き続き6系統のレポータートランスジェニックマウスを作製した(cNAT mouse)。その結果、1系統でS/N比30倍の高感度でNF-κBシグナルを検出することに成功し、現在はその解析を行うとともにNF-κBシグナルに異常を来す遺伝子改変マウスと交配して検討を行っている(投稿準備中)。 また、がんや発生にも重要なNotchシグナルに対しても、同様の手順で5系統のレポータートランスジェニックマウスを作製し(cNotchR mouse)、現在解析中である。
|
Research Products
(6 results)