2008 Fiscal Year Annual Research Report
磁気共鳴拡散イメージング法による実験動物の非侵襲的神経画像解析法の確立
Project/Area Number |
20700371
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
山田 雅之 Fujita Health University, 医療科学部, 講師 (40383773)
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Keywords | 脳・神経 / 実験動物 / 磁気共鳴画像法(MRI) / 神経画像解析 |
Research Abstract |
初年度はラット脳を対象とし、臨床用MRI装置でその神経画像解析を実施するために必要な準備実験を実施した。本研究では、臨床において人体を対象に使用される撮像法での神経画像解析の可能性を追求することを目的とし、その基盤となる撮像条件の最適化を中心にラット脳のMRI撮像技術の確立にも取り組んだ。ここでは、本年度交付研究費により購入した実験動物用麻酔装置、ならびに人工呼吸器等を駆使し、手術等の撮像前準備はもとより、撮像時における安定した動物麻酔を実現することができた。この基礎検討により確立されたMR撮像技術により、次年度はラット脳に生じる神経変性を対象として、臨床用MRI装置による神経画像解析研究を実施する。 一方、コモンマーモセットを対象としたMRI実験は、高磁場の実験動物専用MRI装置を用いて実施した。まず、マーモセットの正常な視覚伝導路について、MEMRIt tract tracing法による形態解析を実施した。さらに、視覚伝導路に神経変性を生じたモデルを対象に拡散テンソルMRIを実施し、その神経変性について可視化を試みた。次年度は、拡散MRIで描出される神経変性の検証として、その神経病態を病理組織学的に解析し、両者の比較検討を実施する。 本年度は、カナダ・トロントでの国際磁気共鳴医学大会に出席し、近年のMRI技術による神経変性の検出について、積極的に学術情報を収集した。特にq-space imagingと呼ばれる手法による微細神経構造の画像解析法は、本研究においても有益な情報であり、次年度の研究に反映させたいと考えている。
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