2009 Fiscal Year Annual Research Report
貴金属ナノ粒子―刺激応答性高分子複合材料を用いた簡易診断用バイオセンサーの研究
Project/Area Number |
20700377
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
遠藤 達郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 助教 (40432017)
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Keywords | 在宅医療 / 貴金属ナノ粒子 / バイオセンサー / 刺激応答性高分子 |
Research Abstract |
糖尿病をはじめとする生活習慣病や癌、インフルエンザ、ヒト免疫不全症候群(HIV)等の病態の把握・疾病予防を安価で簡便かつ短時間に実現可能な健康管理ツールを提案するため、本研究では金や銀などの貴金属ナノ粒子より観察される非線形光学現象である局在表面プラズモン共鳴(Localized surface plasmon resonance : LSPR)とイオン強度や温度等外部環境の変化に対して特異的に膨潤・収縮特性を示す刺激応答性高分子との複合材料を用いた簡易診断用バイオセンサーの構築を行った。本研究で構築した複合材料を用いた簡易診断用バイオセンサーはLSPRの色彩を目視で観察可能であることから、複雑な操作および器具を必要とせずに健康管理を実現することが可能となる。当該年度では、複合材料を簡易診断用バイオセンサーとするため、貴金属ナノ粒子および複合材料の物性評価を行った。 本研究で使用した貴金属ナノ粒子は化学的に合成して得ているため、温度に対して安定性に乏しいという問題があったが、DNAと複合化させることで温度安定性が向上することが判明した。また酸化酵素を用いてバイオセンサーを構築した場合、酵素反応によって生成される過酸化水素が貴金属ナノ粒子より観察されるLSPR光学特性変化へ大きく寄与することが観察され、酸化酵素を用いたバイオセンサーが測定対象物質を高感度に検出・定量可能であることが示唆された。 これらの成果によって、刺激応答性高分子と複合化させることによって、貴金属ナノ粒子単体を用いたバイオセンサーよりも安定性、感度、操作性などに優れたバイオセンサーを提供することが可能となる。
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